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バイリンガル・バイカルチュラルろう教育ミニ講座<手話動画>

シリーズ3回目 <ろう児の第一言語獲得>

では、肝心なろう児は、どうやって「第一言語」を獲得するのでしょうか?

「母語」の説明の中で、「ろうの赤ちゃんには、「手話」という言語を母語として獲得する能力が備わっている」とお話ししました。デフファミリィの場合は、聞こえる人たちと同じように、お母さんからの呼びかけや家族の会話、または両親の友達との会話などから、手話を自然に獲得します。

「喃語(なんご)」ということばをご存知ですか?赤ちゃんが言語を獲得する以前に発する意味のない声です。「あーうー」などから、「だぁだぁ」「ばぶばぶ」などへとだんだん発達していきますが、手話にも同じように喃語があります。

聞こえる家族の中のろうの赤ちゃんも、基本的には同じです。ご両親やきょうだいが手話で話しかけたり、日本手話者との接触の機会を作ることで、ろう児はごく自然に手話という母語を獲得していくのです。ですから、ヨーロッパでは手話を覚えるのはまず聞こえない赤ちゃんのおかあさんです。日本のように趣味やボランティア活動のために手話を覚える人はあまり多くありません。

以前は、「聞こえる親が手話を学んで、ろう児を手話で育てることは不可能」と言われていました。しかし、今では、そういう親子はたくさんいます。そして親が聴者であっても自然言語である手話を使っていれば、それが不完全であってもろう児は自分の手話の力を伸ばしていくことができるという研究結果もオランダで出ています。バイリンガルろう教育センターがつくった私立ろう学校「明晴学園」では、すべての保護者が子どもたちと手話で話しています。

デフファミリィの子どもと聞こえる家族の子ども、「第一言語」である手話の力に差があるかというと・・・、大丈夫です。心配はいりません。聞こえる両親から生まれた聞こえない赤ちゃんも、日本手話という「母語」を獲得し、確かな第一言語を育てることができるのです。

掲載日/2009/3/13

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