お子様の聞こえでお悩みのお母さん、お父さんへ
特定非営利活動法人
バイリンガル・バイカルチュラルろう教育の推進
当センターでは、聞こえにくいお子さんを持つ親御さんたちや社会に向けて、子どもたちが「目の子」としてありのままに成長できるよう、バイリンガル・バイカルチュラルろう教育を推進する活動を行っています。
バイリンガル・バイカルチュラルろう教育とは?
バイリンガルを日本語で言うと「2つの言語」、バイカルチュラルは「2つの文化」ですね。ろう教育では、「日本手話と書記日本語」の2つの言語と、「ろう者と聴者」の2つの文化を指します。
日本手話と書記日本語のバイリンガル
日本手話は、日本語とは異なる文法・構造をもつ独自の自然言語で、書記日本語は日本語の読み書きのことです。※音声で話ながら手や指を動かすものは日本語対応手話(手話つきスピーチ)と呼ばれ、日本語を手や指で表したもの。ですから、日本語対応手話と書記日本語は両方とも日本語なのでバイリンガル(2つの言語)にはなりません。
バイリンガルろう教育では、日本手話を第一言語、書記日本語を第二言語として2つの言語を身につけながら一般の学校と同じように学んでいきます。
ろう文化と聴文化のバイカルチュラル
「ろう文化」という言葉をはじめて聞く方も多いと思いますが、ろう者は聴者とは異なる生活様式や思考スタイルをもっています。それは、誰からか教えられるものではなく、目で情報を得るろう者と、音という見えないもので情報を得る聴者の違いと考えるといいでしょう。例えば、使っている言葉や人を呼ぶ方法、会話の組み立て方、説明の仕方、どんなことを失礼だと思うかなど、違いは多岐にわたります。こうした違いは自分では気づきません。この違いを知をらないまま聴者の社会に出ると、聴者とのコミュニケーションでズレが生じてトラブルが発生したります。聴者が多数の社会で活躍するためには、ろう教育でバイカルチュラル(2つの文化)をしっかり学ぶことが大切なのです。
2つの言語と2つの文化の必要性
日本手話
- ろう者の第一言語(母語)
- 自分で考え、判断し、創造し、自分を表現できる言語
書記日本語
- 聴者や聴者社会とのコミュニケーション言語(筆談など)
- 新しい知識や学問を得るための言語(書籍など)
ろう文化
- ろう文化を学び、ろう者としてのアイデンティティを育てる
- ろう者である自分に自信を持つ
聴文化
- 聴者や聴社会に対する興味・理解を深める
- お互いを尊重し、積極的に社会参加できるようになる
BBEDの活動内容
ろう児を持つ親御さんに向けた活動
- 日本手話による子育て支援、教育相談
- ろう教育に関わる幅広い情報提供
- 交流会や学習会、講演会の開催
- 日本手話教室の開催
など
バイリンガル・バイカルチュラルろう教育のさらなる発展のための活動
- バイリンガルろう教育に関するデータ収集、研究、教材開発
- バイリンガルろう教育実践団体への支援や協同研究
- 国内外のろう教育機関及び専門家との情報交換や連携
など